10月8日、米連邦準備制度理事会(FRB)と通貨監督庁(OCC)は、マネーロンダリング対策の不備を理由にアメリカン・エキスプレス・ナショナル・バンクに3億5,000万ドルの制裁金を科した。OCCの指摘は具体的だった。2014年6月ごろから2025年5月ごろまでの間に、同行は約130億ドルの貿易を利用したマネーロンダリング(TBML)の疑いがある取引を処理していた。その多くは不審なカード決済とそれに続く返済で、一部は同行の内部者に結びついた口座を経由していた。5日後の10月13日、金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)はバンク・オブ・アメリカに12億ドルの制裁金を科した。FinCENの歴史で3番目に大きく、そのうちにOCCとして過去最大の7億5,000万ドルが含まれる。当局によれば、同行は2018年1月から2025年7月までに50億ドル超の不審な取引の報告を見逃すか遅らせ、そのうち約10億ドルは米国南西部国境をまたぐTBMLの疑いを含む、国家安全保障上のリスクに関わるものだった。
二つの銀行、一週間、同じ言葉。TBMLとは、貿易を偽って価値を動かすことだ。貨物の価値より大きい請求書、実際には出なかった船積み、何の出荷にも対応しない返済。当局は銀行に、それを見なければならないと言っている。銀行はこれまでと同じやり方で応じるだろう。顧客にもっと書類を求めるのだ。それを実際に受けるのは、資金洗浄を行う者ではない。本物の貨物を本物の船に載せている輸出企業だ。
二つの事案に共通すること。
どちらの銀行も、書類を読まなかったことで罰せられたのではない。アメリカン・エキスプレスが処理していたのはカード決済と返済で、確認すべき船荷証券はなかった。バンク・オブ・アメリカは、FinCENによれば2024年初めまでにTBML向けの監視機能を構築していたが、それをすでに調査中の取引にしか使わなかった。どちらの場合も、銀行にはお金が動くのは見えていて、その裏に貿易があるかどうかを知る手段がなかった。
これが問題の形だ。銀行は自分の席から、貿易の説明を点検することはできる。貿易そのものを見ることはできない。
輸出企業が払う理由。
もっと見ろと言われた銀行のコンプライアンス部門は、手元にある唯一の道具に手を伸ばす。顧客から取る書類だ。請求書の写しをもう一部、船積みの証明をさらに、買い手についての質問をさらに、入金の保留をさらに長く。貿易金融の担当部署を持つ大手の輸出企業にとって、これは手間だ。小さな輸出企業にとっては、断られる理由になる。
アジア開発銀行が1月に公表した最新の貿易金融ギャップ調査は、2025年の満たされない需要を2023年と変わらない2.5兆ドルと見積もり、中小企業の申請の41%が却下されたとしている。大企業の40%にほぼ並んだ数字だ。調査の執筆者自身が、この差の縮小にはさらに調べる必要があると述べている。繰り返し断られた企業は、申請をやめるからだ。見えない貿易への新しい罰金は、この数字を悪い方へ押す。
書類を増やすことは、資金洗浄する側の土俵だ。
TBMLが成り立つのは、まさに書類が安く、貨物から切り離されているからだ。資金洗浄する者はもっともらしい請求書を作る。正直な輸出企業ももっともらしい請求書を作る。銀行はどちらも同じように読む。三部目の写しを求めても両者は区別できない。正直であることのコストが上がるだけだ。
両者を分けるのは、書類に書かれた出来事が実際に起きたかどうか、そして銀行がそれが起きるのを見られるかどうかだ。貨物の支配は移ったか。支払いは、その支配を手放した相手に、その時点で、その金額で届いたか。これは出来事についての問いであって、書類についての問いではない。
私たちが構築している層
私たちの仕事は、権利とお金が出会う地点にある。digitradの金庫では、電子船荷証券と支払いが一つの手順で交換される。お金が動くときにだけ権利が動き、どちらも誰が、いつ、いくらの記録を残す。トークン化預金の基盤を持つパートナーと銀行とともに、電子船荷証券を待って決済される銀行発行の預金トークンで、送金ベースの貿易を決済する取り組みを進めている。ステーブルコインの側では、BitTradeとのエンドツーエンドの実証で、海外からの送金を受け取り、換算し、同じ営業日のうちに通常の円として引き出せること、そしてその各段階が記録に残ることを示した。
銀行にとって、これは問いを「この請求書は正しく見えるか」から「この交換は起きたか」に変える。そうやって決済された貿易は、自分の証拠を自分で持っている。正直な輸出企業の入金は、それを裏づける権利と一緒に届く。資金洗浄する者の請求書には、結びつける相手がない。
リトマス試験
取引銀行に一つだけ聞いてみてほしい。貿易の入金を審査するとき、見ているのは船積みか、それとも船積みの説明か。
答えが書類の一覧なら、見ているのは紙だ。二つの罰金は紙の話であり、次にあなたが求められるのも紙だ。
